お菓子の袋をまさぐって、愛らしく咀嚼する仕草や
真剣に漫画を読む表情
そこには一抹の不安もなく、平穏そのもののように思われる
どんな請求書の波も脅かすことのない平穏だった
時には憂鬱の中にいて
己を責める背中にかける言葉もなく
少ない優しさを分け与えられ、不甲斐なさを苦く噛む時
雨音も届かぬ地中に、浅く呼吸することしかできない
貪り合い、君の中で果てる時
呼吸や、音声があらゆる意味を失うと共に色味を帯びて迫ってくる
それをどう言い換えて良いのかいつもわからない
愛してるかなんてイデオロギーはいつもわからない
君は実際的な存在なのだ