上海ベイベと香港ガーデン

自堕落な元バンドマンの独り言集。

実際的存在

お菓子の袋をまさぐって、愛らしく咀嚼する仕草や

真剣に漫画を読む表情

そこには一抹の不安もなく、平穏そのもののように思われる

どんな請求書の波も脅かすことのない平穏だった

 

 

時には憂鬱の中にいて

己を責める背中にかける言葉もなく

少ない優しさを分け与えられ、不甲斐なさを苦く噛む時

雨音も届かぬ地中に、浅く呼吸することしかできない

 

貪り合い、君の中で果てる時

呼吸や、音声があらゆる意味を失うと共に色味を帯びて迫ってくる

それをどう言い換えて良いのかいつもわからない

愛してるかなんてイデオロギーはいつもわからない

君は実際的な存在なのだ