黒いほのおの両の手が 空に向かって何度も何度も、伸び縮み お月様はそれを見て笑っていました ほのおは草も土塊も飲み込んで やがて風を焦がし海を走った お月様はそれを見て笑っていました 彼は疲れ果て路傍に佇み、怒号を放ちて 最後に私を焼いて消え去り…
胸の真ん中のあたりが疼いています。いてもたってもいられない苛立ちに、わあっと叫びたくなる衝動が、夜を奔走しているのです。とうに忘れたはずの哀しみが蘇って、それを投げ破ってしまいたい気持ちと、懐かしむ気持ちとを抱えてまた夜を越えました。それ…
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