上海ベイベと香港ガーデン

自堕落な元バンドマンの独り言集。

真夜中のドライブ

10年ほど前、16、7歳の頃の風景をやけに思い出す。

俺はゲーセンで知り合った仲間とよくつるんでいて、それぞれ22歳、25歳、28歳とやけに歳上の仲間と夜通し遊び続けてた。基本的に閉店までゲーセンにいて、その後仲間の家で朝までたむろするのが日常だったが、何度か気分転換にドライブしたのを思い出した。

廃工場や星なんか観に行ったような気もするが、あまり人気の無い場所にはなんだか情緒を感じなくて、俺がやけに思い出すのは陳腐かもしれないがお台場周辺の風景だった。

 

真夜中のレインボーブリッジを初めて渡った。ドギツイ光彩が車体を包んで目まぐるしく後ろへ流れていく様に、17歳の心臓が興奮していた。車を降りてから、お気に入りのレザージャケットを羽織って飲む缶コーヒーにも、冷え始めた初秋の空気にも、自由を思いきり感じて飲み込んだ。コンビニに向かって歩いて行くと、手前の横断歩道をバイカーの列が爆音をあげて走り去って行った。尾を引くテールランプを見送って、正面にはファミリーマートの灯りがある。

 

この光景が、言いようもないほど美しくて頭を離れない。ただそれだけ。